口腔漢方とは
漢方医学とは?
漢方医学の基本には「良医は未病を治す」という言葉があります。「未病」とは「健康と病気の間」を指し西洋医学では病気と診断されないものも漢方では対処法があると考えられています。その対処法とは生活改善・体質改善を促し、発症を遅らせ、生体が持っている回復力や免疫力を高めることです。
漢方薬はオーダーメイド医療?
漢方薬は草根木皮、動物生薬、鉱物生薬を決められた方法により一定の量ずつ組み合わせた薬物です。患者様の自覚症状を重んじ、症状をつぶさに診断し「証」を決定する。いわゆる「オーダーメイド」の治療だといえます。
漢方薬に副作用はあるの?
漢方薬は、生薬を主体に使用していますので副作用がないと一般的には考えられています。滅多に副作用は起こりませんが、処方によってはまれに副作用のような下痢・嘔吐・むかつきなどがある場合があります。このような場合は服用を一時中止し、ご相談ください。
また、漢方には上記の副作用に似ていて、実は副作用ではないという反応があります。これは瞑眩(メンゲン)といい治療中に漢方薬の効果があがり、治癒していく前の一時的な不快症状で、その後完全に回復します。
セルフチェック
下記のチェックシートを使って、ご自身の体質をチェックしよう。
主な効果
処方例
保険がきく漢方薬
漢方薬には様々な種類がありますが、以下の7種類は保険適用となりますので、3割負担でご利用いただけます。
口内炎
薬名 | 半夏瀉心湯 (はんげしゃしんとう) | 黄連湯 (おうれんとう) | 茵蔯蒿湯 (いんちんこうとう) |
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伴う症状 | 胃もたれ・悪心・嘔吐・食欲不振・軟便・下痢 | 冷え性・腹痛を起こしやすい・胃腸障害が弱い | 便秘傾向・イライラしやすい・口が粘ったり苦みを感じる |
効果 | 胃腸の動きを促進し、消火器障害を治療することで、口内炎の改善、再発を予防します。 | 口内炎だけでなく口臭にも使用可。半夏瀉心湯よりも胃熱を取る力が強いとされます。 | 皮膚や消火器の炎症などを改善し、口内炎や口が渇く症状を和らげます。 |
ドライマウス(口腔乾燥症)
薬名 | 五苓散 (ごれいさん) | 白虎加人参湯 (びゃっこかにんじんとう) |
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伴う症状 | 尿量減少・下痢・めまい・むくみ・嘔吐 | 体のほてり・疲れやすい・多汗・脱水症状や軽い寒気 |
効果 | 体内の水分の代謝異常を調整し、正常に近づけます。 | 糖尿病、シェーグレーン症候群、向精神薬、抗不整脈薬、放射線治療による口腔乾燥症に有効です。 |
歯通・抜歯後の痛み・歯肉炎
薬名 | 立効散 (りっこうさん) |
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伴う症状 | 頓服薬がきつい・抜歯後の経度な痛み・近く過敏症 |
効果 | 痛みや腫れを発散させ、熱や炎症を冷まし、痛みを緩和する効果があります。 |
歯周病
薬名 | 排膿散及湯 (はいのうさんきゅうとう) |
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伴う症状 | 患部の痛みを伴う化膿性の皮膚及び口咽喉の腫物 |
効果 | 歯肉が紫色、腫脹、病み上がり、膿汁を出している場合に、排膿目的で使用します。 |