
虫歯は、歯の表面に付着した細菌が糖分を栄養として酸を産生し、歯質を溶かしていく疾患です。初期の段階では自覚症状がほとんどありませんが、放置すると痛みや腫れを引き起こし、最終的には歯を失う原因となります。
進行はエナメル質に限局した初期の状態から、象牙質への到達、神経への炎症、歯冠の崩壊へと段階的に進みます。症状が軽い段階では痛みを感じないことも多く、気づかないうちに悪化しているケースも少なくありません。
また、虫歯による慢性的な炎症は、歯だけの問題にとどまりません。細菌が血流に乗って全身へ広がることで、心疾患や糖尿病の悪化など、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。特に高齢の方や持病をお持ちの方は、口腔内の健康管理が全身の健康維持に直結するため、早期発見と適切な治療が求められます。
エナメル質がわずかに溶け始める段階です。歯の表面が白く濁ったり、ザラつきを感じたりすることがありますが、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。適切なブラッシングとフッ素の応用によって再石灰化を促し、歯を削らずに改善できる可能性があります。
虫歯がエナメル質を越えて象牙質に達すると、冷たいものや甘いものがしみるようになります。象牙質はエナメル質より柔らかいため、進行が速まります。この段階では虫歯部分を取り除き、詰め物で修復する治療が必要です。早期に対応すれば、神経を残すことができます。
神経まで虫歯が及ぶと、何もしていなくてもズキズキとした強い痛みが生じます。夜間に眠れないほど痛むこともあります。MTAセメントを使用した神経保存の治療を優先的に検討しますが、炎症が強い場合は根管治療が必要になります。
歯の頭の部分が大きく崩れ、歯根だけが残った状態です。この段階では痛みを感じなくなることがありますが、これは神経が機能を失ったためです。歯根の先に膿が溜まり、顔が腫れることもあります。多くの場合、抜歯が必要となり、インプラントやブリッジ、入れ歯による補綴治療へと移行します。
虫歯は、歯質・細菌・食べ物という3つの要素に時間の経過が加わることで発生します。口腔内に常在するミュータンス菌などの虫歯菌が糖分を分解する際に酸を産生し、その酸が歯の表面を溶かすことで虫歯が始まります。
食後、口腔内はいったん酸性に傾きますが、唾液の働きによって中性へと戻り、溶け出した歯質が再石灰化されます。しかし、間食が多い、歯磨きが不十分といった状態が続くと、酸性の時間が長くなり、再石灰化が追いつかないまま虫歯が進行してしまいます。
歯並びや咬み合わせ、唾液の分泌量、歯質の強さなど、個人差も虫歯のなりやすさに大きく関わります。患者さん一人おひとりの状態をしっかり把握した上で、その方に合った予防方法をご提案しています。
歯科治療への不安の多くは、注射の痛みに対するものです。まず表面麻酔を塗布して歯肉の感覚を鈍らせた後、歯科用として世界最細クラスの極細針と電動注射器を用いて麻酔液をゆっくりと注入します。針の刺入角度や速度にも細心の注意を払い、できるだけリラックスして治療を受けていただける環境づくりに努めています。
必要最小限の削除にとどめ、健康な歯をできる限り守ることを大切にしています。拡大鏡を用いた拡大視野のもとで治療を行うことで、虫歯に侵された部分だけを正確に取り除き、健康な歯質を最大限に保存します。
神経に近い深い虫歯には、MTAセメントを使用します。この材料は殺菌作用と歯質再生を促す効果を持ち、神経を残せる可能性を高めます。神経が保存できれば、歯の寿命を延ばすことにもつながります。
小さな虫歯や詰め物の修正には、歯科用樹脂を直接歯に盛り付けるダイレクトボンディングを行っています。歯を削る量を最小限に抑えながら、天然歯に近い色調を再現できるため、治療箇所が目立ちにくい仕上がりになります。
患者さんご自身が口腔内の状態をしっかりと把握していただけるよう、「お口の健康手帳」を活用しています。治療の経過や検査結果、予防計画などを記録・共有することで、患者さんと歯科医院が連携しながら健康を守る体制を整えています。

初診時には問診と口腔内全体の検査を行います。レントゲン撮影や口腔内写真の撮影、必要に応じて歯科用CTによる精密検査も実施し、虫歯の位置・深さ・本数を正確に把握します。各検査の必要性については、事前に丁寧にご説明します。
検査結果をもとに治療計画をご提案します。どの歯をどのように治療するか、期間や費用の見通しなどをわかりやすくお伝えします。トリートメントコーディネーターの資格を持つスタッフが、患者さんのご希望や治療内容・費用についてのご不安をじっくりとお伺いします。
治療当日は、まず麻酔を行います。表面麻酔で歯肉の感覚を鈍らせた後、世界最細クラスの極細針でゆっくりと麻酔液を注入します。麻酔が十分に効いていることを確認してから、次の処置へと進みます。
拡大鏡を用いた精密な視野のもと、虫歯部分を丁寧に取り除きます。削りすぎを防ぎ、必要な部分だけを正確に処置します。神経に達するほど深い虫歯の場合は、痛みの有無や露髄時の出血の状態を確認しながら、神経を残せるかどうかを慎重に判断します。
虫歯を除去した後は、削った部分に詰め物や被せ物を装着します。小さな虫歯であれば、当日中に樹脂を充填して治療が完了することもあります。大きな虫歯の場合は型取りを行い、技工所で製作した詰め物・被せ物を後日装着します。
日常のセルフケアでは、毎食後の歯磨きを基本としながら、歯間ブラシやデンタルフロスを活用して歯と歯の間の汚れもしっかりと取り除くことが大切です。日本歯周病学会認定歯科衛生士が在籍しており、患者さん一人おひとりの口腔内の状態に合わせたブラッシング指導を行っています。
定期的なメインテナンスにより、虫歯の早期発見と予防が可能になります。患者さんの状態に応じてメインテナンスの間隔を設定し、専門的なケアをご提供しています。エアフローを用いたクリーニングで歯の表面に付着した汚れやバイオフィルムを効果的に除去し、虫歯になりにくい口腔内環境の維持をめざします。
唾液検査や位相差顕微鏡による細菌検査も実施しており、虫歯リスクを科学的に評価した上で、一人おひとりに合わせた予防計画をご提案することもできます。
表面麻酔・世界最細クラスの極細針・電動注射器を組み合わせることで、注射時の痛みを最小限に抑えています。麻酔が十分に効いた状態で処置を行いますので、ほとんどの場合、痛みを感じることなく治療を受けていただけます。痛みに不安をお持ちの方は、遠慮なくお申し付けください。
神経を取った歯は栄養供給が絶たれるため、時間とともに脆くなり、変色することがあります。そのため、まず神経を残す治療を優先し、MTAセメントなどを積極的に活用しています。ただし、炎症が進行している場合には根管治療が必要になることもあります。
虫歯の大きさや本数によって異なります。小さな虫歯であれば1回の通院で治療が完了することもありますが、神経の治療が必要な場合や複数本の虫歯がある場合は、数回から数か月かかることもあります。初診時に治療計画を丁寧にご説明しますので、ご予定に合わせて治療を進めることができます。
はい、対応しています。保険診療でも、前歯や一定の条件を満たす奥歯には白い樹脂の詰め物・被せ物を使用できる場合があります。自費診療では、ジルコニアなどのセラミック素材を用いることで、より自然で美しい仕上がりをめざせます。治療した箇所がわからないような審美性を重視した仕上がりへのご希望も、どうぞお気軽にご相談ください。